|
35ミリ2連装高射機関砲 L-90(35ミリ2れんそうこうしゃきかんほう エル90)は、陸上自衛隊の高射砲。スイスのエリコン社により開発されたGDF-001 35mm連装機関砲の日本向け改良版で、エリコンKDB 35mm機関砲と、レーダー制御の射撃管制装置によって構成される。 陸上自衛隊では1969年に採用され、製作は砲部を日本製鋼所、射撃管制装置を三菱電機が、それぞれエリコン社とともに担当した。なお、L-90とは90口径を意味する。 == 概歴 == 第二次世界大戦の頃の陸上部隊に配備された高射機関砲は、射手の目測照準に頼った射撃で、また、射撃方向・角度の調整もほとんどが人力で行っていたため、高速の目標に対しては命中率が低く、余り効果的な兵器とは言えなかった。さらに大戦後、ジェット機が主流となり航空機の速度が増すと、もはや目測照準の高射機関砲では対処できなくなった。 そこで、従来の高射機関砲のシステムを改め、L-90では新たに開発されたスーパーフレーダーマウスと呼ばれる「レーダー・射撃統制装置」と「光学目標指定機」とで構成された射撃管制システムを機関砲に組み合わせた。これらの新システムで制御されたL-90の対空射撃の命中率は当時としては驚異的であり、陸上自衛隊の高射特科部隊の代表的火器となった。 エリコン社は零式艦上戦闘機に搭載された20mm機銃(機関砲)の開発元である他、自衛隊における「高射機関砲」という制式名称・呼称自体も帝国陸軍時代からそのまま受け継がれたものであり、旧軍時代より日本とは関係が深い。また、87式偵察警戒車に搭載されているエリコンKBA 25mm機関砲も同社製で、量産にあたってはいずれも日本製鋼所がライセンス生産を行っている。本機関砲の給弾方式(クリップで結合した弾薬を固定式弾倉に並べて装填)は、口径35-57mm級の多くの対空機関砲や、旧軍の十一年式軽機関銃(携帯火器としては珍しい)が採用していた方式と同様である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「35mm2連装高射機関砲 L-90」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|